ビル住宅とは?
What's Building + House?
ビル住宅とは、ビルと住宅の中間のような住まいのカタチです。
日本の住まいを取り巻く環境は、非常に経済状況に左右されやすいことが特徴ともいえます。
例として、郊外での農村風景を楽しむ生活が、ある日突然、隣にスーパーマーケットが出来たことで、日常が一変することがあります。
このことは、クルマ社会であり、また消費型の社会であることから、まだまだ住まいのまわりには変化が多く、
日本全国がミニ都市化する可能性があることを示唆しています。
この住宅は都市化や郊外を否定するのではなく、
以下の3つの建築的条件を加えることで、都市や非都市といったことに左右されない、変化に対応する住まいを考えています。
それが「ビル住宅」のコンセプトです。
1.住宅に非住宅部分を設けること。
非住宅部分で外部とのつながりと緩衝地帯をもつことで、変化する環境に対応します。
2.全体の構造と生活の為の構造を分けること。
全体の構造と生活の為の構造を分け、将来の変化に対応します。
3.生活空間の中に曖昧な空間を残すこと。
生活空間の中に曖昧な空間を残すことで、外部とのつながりを生活空間に滲みださせ、外との繋がりをコントロールします。
この3つの条件は、もともと日本の古来の住宅が持っていたものと、われわれは考えています。
昔の民家を見たとき、ふと、
日本の伝統的なものを感じつつも、現在の生活からは切り離されてしまったという感覚は、
その3つの条件が、今の住まいから亡くしてしまったからなのではないでしょうか。
「ビル住宅」は、その場所が持っていた本来のチカラを呼び起こして、
住む人が住まいを通じて、周辺環境を使いこなしていくことの手助けになることを狙っています。